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其の二 波紋
〜思考の闘争〜
 
     

 人は常に波紋を発しており、しかしながら恒ではあるが連続ではなく断続である。線ではなく点の集合である。人には意識の限界があり(目と呼ぶ)、無意識の中にも多くの波紋を発し、多くの衝突を繰り返している。ではシンクロした時にそちらに目が向くのは何故だ?本能といって良いのか?それ以前に全くシンクロしていないものに彼の目が言ったのは何故か?目は常に開いているから?目を向けていた時に、予想外の、特殊な振動を感じると愛が発生する?

 衝撃が加わった時、固いものは無事で、それよりは固くないものが壊れる。それと同じくして振動を受ける方向が決まる。

 蛇口を開いたり閉めたりというような、つまり波紋の大きさを変えるのは、心を開くか開かないか程度のもので、彼女の波紋を飲み込んでしまうほどでなければ大きな問題にはならないだろうし、大きな構造変化にはならない。しかし、滴の落ちるタイミングを変えるのは大きな構造変化といえるだろう。

 では、大きな波紋は他の人にも大きな波紋として伝わるのではないのか?他の人には愛は発生せずに自分にだけ発生するのは何故か?大きさというものだけでは片付けられないものがあるということだ。

 波紋あるいは振動にはかたちがある。そのかたちが彼の鍵穴に入り込んだことによって愛が発生した。このように考えると、結局何故彼女に愛を感じたのかという疑問に納得することは出来ない。

 彼女に愛を抱いてしまったことはしょうがないとして、自分の鍵穴を知ることによって、その「愛のかたち」というか、Bodyが愛を抱いてしまいやすい対象を予測できるかもしれない。しかし自分の鍵穴も自分とともに姿を変えていくものだと思われる。

 彼女の鍵穴に自分の波紋が合わないのなら、構造を変えなければ彼女は彼の愛を感じないのではないか。もっとも、それも手探り状態では不可能に近いだろうが。

 構造を変えることは自分が自分ではなくなるのではという疑問から、それを前提とした時に悪となるし、またそれと同様に、偶然ではなく彼女の鍵穴へ入り込むことは「ひたむきな愛の努力」という名の善で装った悪ではないのか?善たりうる「愛の努力」というのは彼女に内鍵を開けてもらうことであろう。

 とにかく知りたいのは彼女と愛を分かちあうにはどうしたら良いのかだろ?構造変革は必至なのか?破壊を恐れる本能(?)が働くだろう。もちろん抑制として。

 彼女と愛を分かち合おうとする原動力は何だ?愛を感じてしまったらスイッチがonになったように動き出してしまうのか?

 一つの考え、衝撃が大きかった時、つまり彼の方がそれほど固くなかったために破壊され、その時に愛が発生したのであれば、一度彼は「恣意性を含むことのない自然的な彼女の攻撃」によって構造破壊されたことになる。彼には、それを修復するとともに彼女に対する免疫を作る作用が働く。

 しかし消極的な考えのために疑問点も出てしまう。それならば愛を分かち合おうとする意外にも、弾き返す、排他するように構造再形成がなされるかもしれない。そうなると今度は再び愛の発生点が説明できなくなる。確かに好きと嫌いは表裏一体というか、非常に際どいものであると言えるかもしれないが、ではどこでそこに境界が出来る?その起点は?

投影
 またつまらない答えの出し方をしようとしている。人の好きとか嫌い、快・不快と言うものの多くは、生まれて以来自分が経験してきた諸事象の中で、結果として快を感じたものについて、その原因となるものと似たものに快が感じられる、あるいはそれに期待をするようになる。つまり、現在自分が判断している、好きや嫌い、あるいはその期待が湧いてくるものは、過去の似たもの箱から投影しているにすぎない。一般命題と言うよりも、生理的に起こる"期待"ではないか?

 
     
     
 
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