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其の三 偽善
〜愛のかたち〜
 
     
〜善のために仮面をかぶるのは偽善ですか?悲しみを押し殺して、
あなたの前で笑顔を作るのは偽善ですか?〜
 
     
     
 たとえ全く同じ感情でも、相手に恋人がいるかいないかで、又は私に嫌悪感を抱くか抱かないかで善と悪は逆転しうるのではないか。ならば善なる愛のかたちなど存在しないのか?


「私が精一杯前を向いていることを、誰か認めてください。」

「人に、前を向いていられるように支えていてもらいたいということか?」


 彼は正直、何を求めているのかさえ分かっていない。前を向かされているのかもしれないのに。彼が前を向いていられるように支えているのは、思考であるかもしれないのに。ああ、思考から逃れたい。正気から逃れたい。善悪の判断なんて要らないから、ただあなたを愛させてください。


「私一人の力で、自分の魂を良い方向へ導けると思っていること自体、傲慢なのではないか?それは結果のいかんによって善悪が逆転する可能性を秘めているということへの恐れからでた、逃避の思考かもしれない。」

「誰だって人の苦しんでいる姿を見たいとは思わないよ。だからみんなの前では笑顔でいよう。」

「お前自身が無理をすることは良いことではないのではないか?」

 
     
 
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