|
||||||||||||||||||||||||
序〜魂のために〜 |
||||||||||||||||||||||||
「なんでこんなにもどかしいんだろう?気持ちの高鳴りはまるで、あなたと結ばれなかったらすべてが終わってしまいそうなほど。」
「でもそんな事は全くないはずだ。彼女がいなくたって平気で私は生きてゆける。難しい事を考えて、正当な解釈や進む道を探っているようで、実は単に彼女が欲しいだけじゃないのか?なかったらなかったで生きてゆけるのではないか。別に生命に影響を与えるわけでもないし、なかったからといって私の人生が悪くなるわけでもない。ただ、良いものは欲しくなるだろう?それと同じじゃない?私の人生がよりよくなると思われる対象であるんだな。でも別に運が良くなるわけでも、物質的に得をするわけでもない。ただhappyになるってことだけかも。」 「私の中のクールな部分では、あなたの事をそれくらいに考えているのに、体の中で湧き起こるものが全く釣り合いが取れていないほどに過剰になっているんだよ。判断してるわけじゃないんだ。やっぱりあなたのことが欲しくて欲しくてしょうがない。でも勇気が出てこない。」 「なぜ?」 「何かを恐れているから?」 「何を?」 「具体的なことなんて判断しているわけじゃないんだ。体が動かないんだもん。」 「もう一度冷静になれるか?本当に必要か?というよりも彼女なしで生きてゆける姿を良く思い浮かべてみろよ。」 「でも自分に後退しろって言えってのかい?」 「そんなこといったって勇気がない、つまり前にグッと出ようって気がないんだから当然じゃないか。」 「後退も出来ないんだ。どっちにせよ私は構造破壊されるんだ。自分の不甲斐なさを認識しなければならないんだ。ああ、いっそのこと粉々にして、再生不能にしてくれ。」 「投げ遣りになっていいのか?どうせ逃げられないんだぜ。待ってんのか、お前は?誰かが救いに来るのを。甘いやつだよ、本当に。構造破壊を恐れているくせに、誰かに助けてもらって、自分に甘ったれのレッテルが貼られても、それを認識せざるを得ないことになるのに、それには納得できんのか?甘えたらどこまでも甘ったれになってくんだよ。」 「しかし、助けてくれた友を持っているというプラスもあるんじゃないのか?」 「おまえは結局その友を手段として使おうとしているんだな。自分がだめな人間であることを否定する要素は外側から覆い隠すようにしか出来ないんだ。」 「じゃあどうしたら良いんだ、どうしたら勇気が出てくるんだ!」 「その答えまでも人まかせか?」
|
||||||||||||||||||||||||